訪問看護師ができること
~お家で安心して過ごすためのお手伝い~
はじめに
みなさんは「訪問看護師」って聞いたことがありますか?
病院の看護師さんは白い服を着て病院の中で働いていますよね。でも、訪問看護師はちょっとちがいます。病院ではなく、利用者さんのおうちに行って、そこで看護のお手伝いをする看護師さん のことをいいます。
たとえば、
- 病気で外に出られない人
- 高齢で病院に通うのがむずかしい人
- 家で最後まで過ごしたいと思っている人
こうした方の家に行って、体や心のケアをするのが訪問看護師です。
でも「いったいどんなことをしてくれるの?」と気になる人も多いはず。
そこで今回は、訪問看護師ができること を、小学生でも分かるように説明していきます。
1. 体の調子をチェックする
まず、訪問看護師が一番よくやることは「体のチェック」です。
- 体温をはかる
- 血圧をはかる
- 脈をとる(心臓のドキドキの速さ)
- 息づかいを見る
これを「バイタルサインのチェック」といいます。ちょっとむずかしい言葉ですが、簡単に言えば 体のサインを見て、元気かどうか確かめること です。
顔の色や、歩き方、話し方などからも調子を見ています。小さな変化に気づいて、病気が悪くならないように早めに対応してくれるのです。
2. 病院みたいな処置ができる
「おうちにいても病院みたいなケアをしてほしい」
そんなときに活やくするのも訪問看護師です。
- 点滴や注射
- けがや床ずれの手当て
- 尿を出す管(カテーテル)の管理
- 胃ろう(おなかからチューブでごはんを入れる方法)のケア
- 酸素を吸う機械や人工呼吸器のチェック
これらをおうちで行えるので、病院に行かなくても必要な処置を続けられる のが大きな安心ポイントです。
3. お薬のお手伝い
「薬の数が多くて、どれをいつ飲めばいいか分からない」
「飲みわすれてしまうことがある」
こんな声はとても多いです。訪問看護師は、
- お薬を曜日ごとに分けてセットする
- 飲んだかどうかをチェックする
- 薬で体に変化がないかを確認する
といったサポートをします。
薬の管理は家族にとっても大変なので、とても助かる役わりです。
4. リハビリのサポート
訪問看護師はリハビリ専門職(理学療法士など)といっしょに、体を動かすお手伝いもします。
- ベッドからイスにうつる練習
- 手足を動かすストレッチ
- ごはんをむせずに食べる練習
こうした小さな積みかさねが「できることを長く続ける」ことにつながります。寝たきりを防ぎ、生活の質を守るのです。
5. 清潔にするケア
体がきれいだと、気持ちもすっきりしますよね。訪問看護師は体を清潔に保つケアも行います。
- 入浴のお手伝い(おふろやシャワー)
- 全身をふく清拭(せいしき)
- 洗髪(髪の毛をあらう)
- 口の中のおそうじ
- 爪切り
「気持ちいいね」「さっぱりした」と笑顔になってもらえることも多いです。これは体の健康だけでなく、心の元気 にもつながります。
6. 心のサポート
訪問看護師は体のケアだけでなく、心のケアもします。
- 「夜になると不安で眠れない」
- 「家族に迷惑をかけて申し訳ない」
- 「この先どうなるのか心配」
こうした気持ちによりそい、話を聞き、安心してもらえるようにします。
また、家族の心のケアも大切です。介護をする人が疲れきってしまわないように、「無理しないでくださいね」と声をかけたり、介護方法をアドバイスしたりします。
7. 家族へのサポート
訪問看護師は利用者さん本人だけでなく、家族もサポートします。
- 介護のやり方を教える
- 医療機器の使い方を説明する
- 緊急時の対応を一緒に考える
たとえば「この機械が止まったらどうすればいいか」など、分からないことを教えてくれるので、家族も安心です。
8. 夜や休日も対応できる(24時間体制の場合)
訪問看護ステーションによっては、24時間対応できるところもあります。
- 夜中に急に熱が出た
- 呼吸が苦しくなった
- 家族がどうしたらいいか分からない
こういうときに電話をすると、看護師がアドバイスしてくれたり、必要があればすぐに来てくれたりします。
「夜に何かあったらどうしよう」という不安をへらせるのも、訪問看護の大きな安心です。
9. 訪問看護師は「チームの一員」
訪問看護師は一人で動いているわけではありません。
- 医師(往診の先生)
- リハビリの先生
- ケアマネジャー
- ヘルパーさん
こうした人たちと情報を共有しながら、チームで利用者さんを支える のです。
たとえば、看護師が「むくみが出てきた」と気づけば、すぐに医師に報告して薬を調整してもらう。
こうした連携があるからこそ、安心して家で過ごすことができます。
まとめ
訪問看護師ができることをまとめると、
- 体の調子をチェックする
- おうちで病院みたいな処置ができる
- お薬の管理をサポートする
- リハビリを手伝う
- 体を清潔にするお手伝い
- 心のケアをする
- 家族へのアドバイスや支援
- 夜や休日の急なときにも対応(ステーションによる)
- チームで支える
となります。
訪問看護師は、ただ病気をみるだけではなく、「生活」や「心」もふくめて支えてくれる存在 です。だからこそ、利用者さんや家族にとって、とても心強い味方になります。
おわりに
病院に行けなくても、家で安心して生活できるように支えてくれるのが訪問看護師です。
「自分や家族に必要かも?」と思ったら、ケアマネジャーさんや地域の相談窓口に聞いてみてください。
訪問看護は「病気とたたかうため」だけでなく、「その人らしく、安心して暮らすため」 のサービスです。
愛の手訪問看護ステーション 看護師 鷲尾拓也