良い看護師の見極め方

~信頼できる訪問看護師と出会うために~


はじめに

在宅で療養される方やご家族にとって、「どんな看護師が自宅に来てくれるのか」はとても大きな関心ごとです。訪問看護は、病院やクリニックとは違い、利用者さんの生活の場に直接入り込みケアを行うサービスです。つまり、看護師の人柄や姿勢が療養生活の安心感に直結します。

良い看護師に出会うにはどうすればいいの?
「どんな点を見れば信頼できるか分かるの?」

今回は、利用者さんやご家族が訪問看護師を見極めるためのポイントを分かりやすくまとめました。


1. 傾聴の姿勢があるか

話を「聴く」力が安心を生む

良い看護師の第一条件は、利用者や家族の話をしっかり「聴ける」ことです。

医療者の中には、知識や経験を重視するあまり、一方的に説明してしまう人もいます。しかし、在宅で求められるのは「利用者の思いを受け止める姿勢」です。

例えば、

  • 「夜眠れなくて不安」
  • 「薬が多すぎて分からない」
  • 「家族に迷惑をかけたくない」

こうした声を丁寧に聴き取れる看護師は、安心感を与えます。表情や相づち、繰り返し確認する姿勢からも、その人が本当に話を大切にしているかが伝わってきます。


2. 分かりやすく説明できるか

専門用語ではなく、生活の言葉で

医療現場では専門用語が飛び交いますが、利用者やご家族にとっては分かりにくいものです。良い看護師は、誰にでも分かる言葉で説明をしてくれます。

例えば、

  • 「降圧剤」ではなく「血圧を下げる薬」
  • 「嚥下障害」ではなく「飲み込みが難しくなる状態」

こうした置き換えが自然にできるかどうかで、その看護師のコミュニケーション力が分かります。

さらに、「説明して終わり」ではなく「ご理解いただけましたか?」と確認する姿勢がある看護師は、安心して任せられます。


3. 観察力と判断力があるか

小さな変化に気づく力

訪問看護では、病院のように検査機器がそろっているわけではありません。そのため、看護師の観察力がとても大切です。

例えば、

  • 顔色がいつもより青白い
  • 呼吸が浅くなっている
  • 会話の内容がかみ合わない

こうした小さな変化を敏感にキャッチし、必要なら医師やケアマネジャーにすぐ報告できる看護師は、信頼度が高いといえます。

在宅療養では「何かあってから対応」では遅いことも多いため、早めに異常を察知できる力はとても重要です。


4. 柔軟に対応できるか

生活に寄り添った調整力

在宅療養は、病院とは違って「生活の場」です。家族の事情や生活リズムに合わせて臨機応変に対応できる看護師は、利用者や家族にとって大きな支えになります。

例えば、

  • 家族が帰宅する夕方に訪問してほしい
  • 入浴日を天気や体調で調整してほしい
  • 本人が嫌がるケアは方法を工夫してほしい

このような希望に、できる範囲で柔軟に寄り添える看護師は「良い看護師」といえます。


5. チームで動けるか

医療・介護の連携力

訪問看護は単独で完結するものではありません。医師やリハビリ職、ケアマネジャー、ヘルパーなど、多職種との連携が不可欠です。

良い看護師は、

  • 医師への報告を適切に行う
  • リハビリ職からの助言をケアに反映させる
  • ケアマネジャーと情報を共有する

といったチームの一員としての行動が自然にできます。これにより、利用者を中心としたサポート体制が強化されます。


6. 誠実さと人柄

技術より大事な「信頼できる人間性」

どれほど技術が高くても、人柄に誠実さがなければ信頼関係は築けません。

  • 嘘をつかない
  • ミスを隠さず報告する
  • 「できること」「できないこと」を正直に伝える

こうした誠実な態度が、利用者や家族に安心を与えます。特に訪問看護では「人と人の信頼関係」がケアの基盤になるため、人柄は何より大切です。


7. 見極めのタイミング

初回訪問や面談で確認

良い看護師かどうかを見極めるには、初回の面談や訪問時の様子を観察することが大切です。

  • 挨拶や表情は自然か
  • 話を聴く姿勢は丁寧か
  • 説明が理解しやすいか
  • 不安を受け止める雰囲気があるか

これらをチェックすることで、信頼できるかどうかの判断材料になります。


8. 不安を感じたときの対応

担当を変えても良い

もし「この看護師とは合わない」と感じた場合は、我慢せずにステーションへ相談しましょう。訪問看護は人と人との関わりなので、相性の問題もあります。

担当者を変えることは珍しいことではありませんし、むしろ利用者や家族が安心して療養できるように調整するのがステーションの役割です。


まとめ

良い看護師を見極めるポイントは、

  1. 傾聴力がある
  2. 分かりやすく説明できる
  3. 観察力がある
  4. 柔軟に対応できる
  5. チームで動ける
  6. 誠実な人柄

の6つが中心です。

訪問看護は、利用者や家族が安心して在宅療養を続けるための大切な支えです。信頼できる看護師と出会うことで、療養生活はぐっと安定し、心強い毎日になります。

「どんな看護師にお願いしたら良いのだろう?」と悩んだときは、ぜひこの記事を参考にしてみてください。そして、不安を感じたら遠慮せずにステーションへ相談することをおすすめします。

愛の手訪問看護ステーション 看護師 鷲尾拓也